2022.08.30
プロジェクト;地域・地方;

石見銀山世界遺産登録15周年イベント。点と点が結ばれ「帯」になった仕事。

ニューホライズンコレクティブ(NH)のメンバー約230名は、それまで培ってきた知見や夢を元手に新たなビジネスの可能性を生み出そうとしている人々。個人としてだけでなくメンバー同士の結びつきの相乗効果で新しい企画が立ち上がることもしばしばですが、時に全く外部の方との思わぬ出会いが、素敵な仕事を生み出していくこともあります。今回ご紹介する石見銀山世界遺産登録15周年イベントにまつわる作業は、同じビジョンを持った人と人との結びつきが化学反応を起こし、地域活性化のお手伝いにつながったというケースです。

塩田京子さんのプロフィール:
電通では人材育成などの経験が豊富です。人や物、地域などのあまり知られていない魅力などを色々な角度から見つけ出して届けるお手伝いをさせて頂きたいです。ちょっとしたキズなどで、正規品として販売出来ない物と、知的障害者福祉作業所をつなげてアップサイクルにチャレンジしたりしています。
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clubhouseで着物を話す


「普段着として着物をいつも身につけていた祖母の影響を受け、幼いころからとても着物に愛着があったんです」 と語るNHメンバー塩田京子さんは電通在籍時代から「着物」を切り口に、さまざまな企画やイベントを個人的に仕掛けてきた人。中でも日本橋キモノパスポート(https://kimono-pass.tokyo/)は発案者の一人として、その立上げやPRにも貢献しました。ただ電通を退社し独立してNHメンバーとなってからも、着物関連の作業がそのままビジネスになるかどうかはわからなかったと回想します。 「何かのきっかけになればと思ってNHのことや日本橋キモノパスポートのことをclubhouseで話していたんです。2021年の3月頃だったと思います」 当時社会現象ともなったclubhouse。そこで着物関連のルームを作り彼女の考えを語ったことが、今回の出会いを生み出しました。 「着物で地域の活性化に貢献したいといった趣旨のことを部屋で話していたら、ある方が声をかけてくださったのです」 そう、その方こそ今回のお仕事の委託元となってくださった吾郷直美さんでした。吾郷さんはWEBサイトの制作などをサービスとする株式会社アットゴ―の代表取締役として会社を経営する傍ら、故郷である島根県大田市に何かしらの恩返しをしたいと考えていらした。地元の観光拠点である石見銀山が世界遺産登録されて15年がたち年々観光客が減少している。。。そのことを憂い何か手を打てないかと思いをめぐらせていたところでした。

故郷大田市への思い


「地元の多くの方々のご協力をいただいて私の故郷の大田市大森町(石見銀山のある町)に会社のサテライトオフィスを置かせてもらったのが2017年でした。たまたまその年はちょうど石見銀山世界遺産登録10周年で、当時は行政もいろいろイベントを実施されたのですが、その後の恒常的な集客にはもう一つ、という状況でした。故郷のすばらしさをもっと外部の方に発信すると同時に、地元の人にも楽しんでもらうようなことはできないかと考えていました」 と熱く語る吾郷さんは、特に石見の伝統的で美しい街並みはお茶やお花など和文化との相性がとても良い。それに関連する町おこしができないかとオフィス内に炉を切り、地元の人にも参加いただいて小さな和文化の教室や、お料理教室を開催をしながら構想を練っていました。そんな中着物を起点に地域の活性化を行いたいとclubhouseで語った塩田さんのお話が耳に飛び込んできたのです。 「塩田さんのお話やSNSでやってらっしゃるプロジェクトのことなども知り、ご本人の和服の写真なども見て素敵だなあと。すぐにメッセンジャーで送りました。ぜひお話がしたいです!と(笑)」 吾郷さんのそんな積極的なアプローチで早速会うことになった二人ですが、東京での住まいもたまたまご近所だということも判明。お互い気さくな人柄にすぐ打ち解けたそうで、なんと最初のミーティングは塩田さんの実家で行われたそうです。そこからそれぞれの中にあるアイデアを出し合い、石見の観光活性化に向けて企画を具体化させていくやり取りが始まりました。 (以下写真:右・吾郷さん 左・塩田さん)

石見銀山へ


2022年5月7日。塩田さんは吾郷さんの案内で初めて石見銀山を訪れることになります。3日間にわたり組まれた行程では、まず現地を知ること。観光の活性化を推進するためにキーマンになりそうな方にお会いすることが目的となりました。 行程表は地元の名所や有力者の方々を分刻みでめぐるハードなスケジュール。 「いろんなところを訪れて思ったのは、着物を切り口にした地域活性化という大枠は地元の方々に理解されているのですが、あとはそれを人を巻き込んでどう具現化させていくかということでした」 と塩田さん。そこから7月2日に予定されている遺産登録15周年に照準を合わせての動きが始まります。 イベント当日にまず実施した企画は、浴衣を着て街を訪れた方にはカメラマンが写真を撮って無償で画像データを進呈するというもの。このことが功を奏し石見の古風な街並みは、和服で行き交う素敵な女性たち男性たちで盛況となりました。吾郷さんや塩田さんも着物で街を闊歩する、また特別ゲストで招聘した島根県観光大使でもあり地元出身のシンガーソングライター近藤夏子さんにも浴衣を着てライブを行っていただきました。近藤さんのライブの前に地元の伝統芸能石見神楽の恵比寿さんが福飴をまいて盛り上げ、石見銀山世界遺産センターでも恵比寿舞や、福飴まきを二回実施。小さなお子さんから、大人まで大変な盛り上りでした。 着物企画以外の部分でも塩田さんがイベント進行で提言し付加されたことがあります。 「近藤さんのライブの冒頭に世界遺産登録に関してご尽力された方などにお言葉をいただきたかったんです。通常のライブではない特別なライブですから」 そのことに気づいたのは吾郷さんと当日の段取りの打合せをしていたイベント2日前の夜。運よく登録に力を注がれた前教育長に快諾をいただけたのは、本番のまさに前日でした。ここでは吾郷さんの豊富な地元人脈が役に立ちました。 筆者が驚いたのは実は今回のイベント、行政や自治体はほぼ関与せず吾郷さんの企画と思いのみで実施されていたということです。地元への恩返しという一念で個人で進めようとされていたプロジェクト。ただそこに誰か経験者の力が欲しかった。そんな時に出会えた塩田さんは伴走するパートナーとして適任でした。結果的には着物に限らず全体のイベント進行のコンサル的役割を受け持つことになっていきます。 「こんなことをやりたいということは頭の中にあったのですが、それを具現化するためにいろんなアドバイスをいただきました。特に、影響力を持ったイベントにするためには『座組』が重要なのだということを改めて痛感しました」 と振り返る吾郷さん。結果プロジェクトは大成功に終わり、今度はこの経験を生かしながら次の20周年に向けて毎年イベントを実施したいと意気盛んです。 (浴衣姿の観光客でにぎわう地元・温泉津https://yunotsu-meguri.jp/introduce/yunotsu-summer/) (以下写真:福飴を子供たちに配る恵比寿様)

紡がれる糸


着物への思い、そして地元への思い。出発点は違っても同じ方向を見つめていた二人が音声SNSを媒介にして偶然に出会った。結ばれた点と点は線となり糸となり、さらにお互いの情熱を紡ぎ合わせながら次第に幅を持った帯となる。clubhouseで自分のビジョンをお話しした塩田さん、そしてそこにためらわずにアプローチした吾郷さん。今回のお二人の話を聞きながら共通していると感じたのは、そんな一歩を踏み出す勇気と、目指そうとしているモノゴトへの揺るがない愛情でした。 「今後は吾郷さんのオフィスの活用方法を模索しつつ、またご一緒に新しいお仕事の可能性を掘り起こせればと思っています」 と笑いながら話す塩田さん。これからこの素敵な二人三脚がどんな華やかな衣を纏うのか、楽しみでなりません。 (以下写真:右から塩田さん、吾郷さん、近藤夏子さん、近藤さんの妹さん)

ライター黒岩秀行

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