2022.06.23
地域・地方;

地域と生きるライフシフト、NHメンバーの取り組み

 ニューホライズンコレクティブ合同会社(以下NH)が取り組む「ライフシフト」は、新たな生業への挑戦や就業形態の変化といった働き方の話だけではありません。人生を主役として生きるための自分らしい価値軸の発見や、それに紐づく新たな学びなど、ライフシフトは生き方そのものを再構成することだといえます。  と聞くと何やら大げさな気がするかも知れませんが、身近な変化も起こります。例えばスーツ姿がカジュアルな服装に変わったり、また会食や懇親のスタイルにも変化が起きたり。  今回のテーマはNHメンバーと「住むこと」についてです。ライフシフトを経て改めて地域活動に向き合ったり、独立を機に初めての土地に飛び込んで地方活性に取り組んだり……そんな「住むこと」にまつわる初めての取り組みに奔走するNHメンバーの姿を追ってみました。

岸本直樹さんのプロフィール:
(株)電通にて、流通企業の営業として長年従事したのち、電通内デジタル関連部門、㈱電通デジタル、楽天データマーケティング㈱の設立に経営幹部として参画し、ビジネスモデルの構築及び各社の成長に貢献する。デジタルマーケティングに対する知見に加え、リアル店舗流通、Eコマース、フランチャイズビジネス、PR領域についての豊富な経験と知見を持つ。2021年1月より起業、現在に至る。中小企業診断士 独立行政法人 ...
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足立敏和さんのプロフィール:
戦略眼はそこそこイケているのではないかと思っています。連戦連勝というわけにはいきませんが、必ずしも強くない立場、限られたリソースの中で「勝ち筋」を見つけることに無上の喜びを感じます。「戦略」×「マーケティング」×「 Information Technology」×「グローバルコミュニケーションスキル」の掛け算をユニークネスに、ビジネスにおける「軍師」のような存在になりたいと思っています。
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神健一さんのプロフィール:
静岡県で一番人口の少ない町、伊豆の松崎町に移住。過疎の町で地域と向き合い、都会と地域を結ぶハブとして地域の活性化のために活動中。
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自治会とNHが連携して取り組んだ補助金対策事業の新たな試み


 東京都中央区の日本橋浜町二丁目西部町会の理事として活動するNHメンバーの岸本直樹さんが、区の「地域コミュニティ連携事業補助金」の話を耳にしたのは昨年10月のことでした。当時は様々な自治体がコロナ対策の補助金事業を打ち出していましたが、この補助金制度の特徴は、町会や自治会が区内の営利企業と連携して行う事業が支給対象である、という点でした。  岸本さんはすぐにNHのことが頭に浮かんだといいます。 「町会の理事会はどこも高齢化が進みつつあり、既存イベントの維持で手一杯というのが実情です。一方で常に新しい取組先や新しい企画を求めています。そこで今回、自治会と企業との協働を条件とするこの補助金の活用提案をNHに依頼してはどうかと考えました」  岸本さんが町会に諮った上でさっそくNHメンバーに声をかけたところ、NHからは4チームがエントリー。それぞれ町会メンバーに企画をプレゼンしました。  そして採用された企画が「みんなでゴミを拾ってガチャしよう!クリーン浜町」です。このイベントは、参加者がお掃除マップを見ながら町内のゴミを拾い集め、4つのチェックポイント全てでスタンプを押してもらうと町会が用意したガチャを引くことができるという、まさに子供も大人も楽しみながら街がきれいになる一挙両得の企画でした。  その「ガチャ」が前評判となり、イベントは午前午後ともに参加者が定員を超える大盛況となりました。受付には長蛇の列ができ、新型コロナ感染対策の体温測定や消毒、子供だけの参加者に対しては引率をするなど、町会の皆さんはまさにフル稼働の一日となりました。記者もイベントに立ち会いましたが、様子を見に来た中央区役所地域振興課の担当者さんがガチャの前ではしゃぐ子どもたちを微笑ましく見ている姿が印象的でした。  町会理事の松田剛俊さんは、こう振り返ります。 「参加者は午前中で100名を超える盛況ぶりで、最終的には209名の参加がありました。親子での参加が多かったですが、子供たちだけの参加もあり、積極的にごみ集め(清掃活動)に取り組まれていたことが印象的でした。中には、ごみレベルを超えて粗大ごみと言えるものもあり、またエリアを超えて集めていただいた方もいらっしゃいました。4つのポイントをクリアし、スタート地点に帰ってくるときのお子さんたちの笑顔が素晴らしく輝いていたことを覚えています」  そもそも、この企画アイデアはどのようにして生まれたのでしょうか?  提案グループのメンバーで、イベント当日もスタッフとして参加したNHメンバーの足立敏和さんによると、意外にも最初はゴミ拾いではなく「ガチャ」から話が始まったのだそうです。 「企画会議ではまず、ガチャをしながら街をウォークラリーするというアイデアが出ました。そして何を景品にするかというような話で、お金を払ってガチャをしたらゴミ袋とトングを渡されて街のゴミを拾う、なんていうのはどうかというような話になりました。それが形を変えて最終的にはゴミを拾ったらガチャできるという企画に落ち着きました」 (写真:岸本直樹さん)

町会とNHのコラボレーションで見えてきたもの


 町会理事の松田さんは今回のイベントの成功を高く評価しています。 「最後にガチャ(大人用も用意)で楽しむというところが良かったと思います。子供以上に親御さんも喜んでおられました。町内清掃をしながら娯楽の要素も含まれており、色々な企画を通して町内会のコミュニティの活性化を図って行ければとあらためて感じました」  岸本さんも続けます。 「奉仕活動でもある町会活動が、地域の子ども向けの楽しいイベントになりました。子ども向けにしたことで(マンションなど)新しい住民の皆さんの参加もあったことに手応えを感じました。また今回は実現には至らなかったものの提案の中には面白い企画がいくつもあり、NHへの依頼は非常に有益でした」 「昨今は自然災害も多発しているため、緊急避難や帰宅困難者支援など地域コミュニティの役割は益々大きくなっています。それゆえお互いの顔が見える町会が活性化することは大事なことなのです」  成功裏に終わった町会とNHの初めてのコラボレーションですが、企画提案であれば他の企業でもできたのでは? 岸本さんに聞いてみました。 「やはり提案の品質がNHならでは、という感覚はあります。今までの外部からの提案でもこういうアイデア(ガチャ)はありませんでした。また多くの企業は企画を出せても、いざ実施となるとなかなかコミットしきれないものです。町会の人手不足を考えると、パートナー企業が実施までどうコミットしていくか、イベント当日のみならず準備にも人手を割けるかといったことも重要で、今回のケースではNHメンバーがボランティア的に参加してくれたのもよかったというのが町会サイドとしての素直な感想です」  NHメンバーの企画力と、ライフシフトによる時間的な余裕が、プロボノ活動として地域活動の活性化に一役買う形になったようです。  今回のコラボレーションは、提案と運営サポートをしたNHメンバーにとっても有意義なものでした。参加した足立さんは、人と人がリアルに関わることの大切さを実感したといいます。 「地域の人とのコミュニケーションが純粋に楽しかったです。私は町会の60代の女性と二人でチェックポイントのひとつを担当しましたが、普通であればまずお会いする機会がない方と数時間ご一緒して色々な話ができたのは本当に得がたい経験でした。私は電通時代も今も大阪在住ですが、私の地元ではこういった地域コミュニティはありません」 (写真:足立敏和さん)

「地域と生きる」ライフシフトのポイントは前向きさとフットワーク


 地域活動の活性化や地方創生は喫緊の社会テーマながら、地域としてもなかなか取り組みづらいのも事実です。そのような中、NHには地方に移住したり、移住はしなくても地方創生に力を入れているメンバーが少なくありません。  NHのライフシフトプラットフォームと地方創生の仕事は、親和性が高いのでしょうか。  神(こう)健一さんもそんな移住組の一人です。電通を退職・独立を機に静岡県賀茂郡松崎町に移住してきた神さんは、NHメンバーが定期的に訪れて稲作体験をする「NH田んぼプロジェクト」を地元の農家さんとともに主導するなど、すっかり地元にとけこんでいる印象があります。神さんに地域とともに生きる秘訣について聞いてみました。 「そもそも松崎町は縁もゆかりもない土地でした。将来的に美味しい食材を使った飲食店を開きたいことから、海・山・川に囲まれ自然豊かな伊豆半島の西側のこの土地を選びました。会社を辞めた翌月にはこの土地に越してきたものの、とはいえ何から取りかかったらよいか分からなくて2ヶ月ほどは全く動けませんでした。このままでは何もはじまらないという焦りもあって、とにかく自分ができそうなこと、やりたいことをまとめて町役場の企画観光課に持ち込みました」  また、神さん自身は地域づくりの色々な活動に参加したそうです。まず2030松崎町プロジェクトの中間報告会に参加する機会を得て、そこでの感想をまとめて提出したことで次はプロジェクトのマネジメントチームにメンバーとして招かれました。  「よい人との出会いが大きかった」と神さんは振り返ります。神さんに胸襟を開いて接してくれた企画観光課長は、現在では同町の町長を務めています。  神さんはさらに、農閑期の田んぼに7種類の花を咲かせる「田んぼをつかった花畑」にも参加しています。実行委員会の人たちからは「神さんは飛び込んできてくれるのがいい」といわれているそうですが、自らが実際に動く、というところがNHらしい仕事のスタンスだと神さんは言います。 「まずは、町のために汗をかくことが大切だと考えています。先日隣町のビジネスマンと話したのですが、最初からビジネスが絡むと少なからず政治的なことやしがらみを感じます。僕自身は、地域活性というフィールドに立つなら3年程度は種まき期間と考えて、徐々に地域での地歩を固めることが必要だと考えています。NHのライフシフトプラットフォームは経済的にそれができるので気持ち的に楽です」  神さん流の地方創生の奥儀は、まずアイデアを持ち、フットワーク軽く「ダメだったら次」くらいの気持ちで色々なことに当たる。そうしているうちに、ようやく少しずつ光明が見えてくるのだそうです。心構えは「真面目すぎず、ひたすら前向きで、しかし口先だけにならないように」  上述の足立さんも、とにかくあまり考えすぎないことだと言います。 「ファーストステップとしてまずやってみること。ビジネスだと硬く考えず軟らかく取り組むことが重要です。今回は小さいアクションですが、ああいう形で人を巻き込んでいく方法があるのだ、と私も勉強になりました」  二人の地方創生へのアプローチ方法は、そのままライフシフト後の働き方の極意のようにも聞こえました。  最後に、人財としてのライフシフト移住者と地方創生事業との親和性についても神さんに話を聞いてみました。 「例えば大きな企業を取引先として20年以上の実務経験がある4,50代の人材というのは地方にはまだまだ少ないので、我々がこれまでの会社員人生で学んだ経験はとても重宝されます。そして余力を残して早期退職したライフシフト組は定年後の悠々セカンドライフ派ともちょっと違いますし、若い世代が地方で一旗揚げようというのとも違う。自治体からも期待されますし、ライフシフト人材は地方創生においてもっとも志高く自由に立ち振る舞える人財だといえます」  日本橋浜町、賀茂郡松崎町、そしてその他の地域へ。NHメンバーによるライフシフト的地方活性アクションの今後がますます楽しみになってきました。 (写真:神謙一さん 松崎町HPより)

取材と文:山内龍介

生活とビジネスの拠点を変えると世界の地図が変わる 〜信州の工芸品リブランディングから得られたもの〜

その時プラゴミは「プラギョミ」になった。「青い地球を育む会」と目指す明日のカタチ。

#社会貢献

あのメニューの広告表現はどのように誕生したのか?

#グラフィック

あの3つのメニューはどのように誕生したのか?

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